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カトマンズ全景

今回の震災被害は、首都カトマンズとその周辺盆地部に関しては、旧王宮を中心とした旧市街地が大きな被害を被りましたが、反面、新興市街地の建物の多くは原型を留めており、首都全体が壊滅といった呈ではありません。

もともとインフラの不十分な貧困国であることもあり、最低限のライフライン復旧は意外と早く、現在、市民生活に大きな混乱はありません。

しかし、ネパールの国土の多くを占めるヒマラヤ山岳部の村々は壊滅的な被害を受けているところも多く、元々陸路でのアプローチが難しい場所が、震災による地形変化や雪崩等によりヘリ以外では到達できなくなってしまい、未だ被害集計すら完了していないところもあると聞きます。

旧市街の倒壊家屋

旧市街に近い場所では多くの倒壊家屋が出ています。

カトマンズ盆地は、元々この土地に都市国家を形成していたネワール族の伝統建築がレンガを用いた3−5層の比較的高い建物であること、グティという5人組のような互助システムを作り、親族や同カースト同士でお互いの家屋を密接させながら都市を広げていったこと、また、建物を縦に分割して相続していく習慣があることにより、結果的にペンシルハウス的な建物が密集する細路地だらけの街が形成されています。

特にコンクリートが用いられる前の時代に建てられた建物は、半ばドミノ状態で数戸が一気に全壊してしまうケースが多かったようです。

さらに、特にユネスコ世界遺産登録を受けて建築制限が掛かっている旧王宮周辺の地域は、建物の工法や外観規制により、新築にも改築にも莫大な費用が掛かることから、このエリアの建物の多くはコンクリート支柱のないレンガ造りだったことが被害を大きくした一因だと思われます。

現在、余震による崩壊を恐れて、古い建物に住んでいた多くの住民は市内各所の空き地や公園でテント生活を強いられています。

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